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ユーチューブのアメリカ源泉徴収開始について

先日グーグルより、2021年早ければ6月からアメリカのユーチューブ視聴者から発生した広告収入に対してアメリ所得税源泉徴収を開始すると報告されました。5月31日にまでに該当のユーチューバーは自身のアドセンスアカウントから税務手続きが必要となります。もし手続きをしていない場合はグーグルが全世界のユーチューブ収入から最大30%の源泉徴収をするかもしれませんとの内容です。

 

多くの日本在住の日本人ユーチューバーはアメリカ税務上アメリカ非居住者となります。(アメリカ市民権、永住権者は除いて)

非居住者の場合、基本的にアメリカで発生した収入はアメリカで所得課税の対象となります。アメリカで発生した収入の種類については、アメリカ現地で仕事をした収入、アメリカの会社や金融機関から得た利子や配当、アメリカ物件からの賃貸収入、アメリカで売買した商品や物件の売上などが挙げられます。

 

インターネットが発達し個人が世界中どこからでも働ける時代になり、アメリカの税務署IRSもこれまでアメリカ非居住者へ支払われる広告収入に対しての課税が困難なこともありグーグルを通して源泉徴収の取り締まりを強化したものであると思います。

似たようなケースですと、日本に居ながらアメリカグーグルプレイストアでアプリ収益を得たり、日本から発送した商品をアメリカアマゾンやイーベイのマーケットで販売した収益などが当てはまります。

 

アメリカの会社や金融機関から収入がある場合は、その会社や機関が適切な源泉徴収額を決定するために、受給者は自身がアメリカ居住者か非居住者のどちらに該当するのかを報告しなくてはいけません。もしアメリカ居住者の場合で収入が就労所得でない場合はForm W-9という申告書を提出します。Form W-9を提出した場合は30%の源泉徴収はされません。

もしアメリカ非居住者の場合で収入が就労所得でない場合はForm W-8BENを提出します。Form W-8BENを提出した場合は30%の源泉徴収が発生します。(各国の租税条約にて源泉徴収率変更あり)

ただし、アメリカ非居住者がアメリカ内でビジネス、またはアメリカとの貿易に従事をして発生した収入がある場合はW-8BENの代わりにW-8ECIを提出します。

 

アメリカは多くの国と租税条約を結んでいて、アメリカ非居住者は租税条約の下、様々な種類の所得の減税や免税を行うことができます。アメリカと日本の間にも日米租税条約を結んでいます。この度グーグルから案内された広告収入について税務上ロイヤリティーとして取り扱われます。通常アメリカで発生したロイヤリティー収入はアメリカで課税、源泉徴収の対象となりますが、日米租税条約ARTICLE 12 に基づきアメリカでは課税されず日本のみでの課税となります。

 

従って、日本在住のユーチューバーでグーグルからロイヤリティーを受け取る日本人は、ロイヤリティー支払い者のグーグルに対してForm W-8BENを提出することにより、アメリカでの課税と源泉徴収は免除されることになります。グーグルへ税務報告は3年毎となります。